マレーシア・2022年総選挙(GE15)のポイント

昨日2022年11月19日はマレーシアの第15回総選挙(GE15)の投票日でした。2007年にマレーシアに来はじめて以来、政局はなかなか流動的で正直政党名すらちゃんと覚えられていない状態です。反省も踏まえて少し真面目にニュースを調べてみました。

GE15の基本的なポイント

  • 下院の定数は222
  • 2022年解散前の与党連合は国民戦線(BN:Barisan Nasional)と国民同盟(PN: Perikatan Nasional)によるもの。この連合が崩壊するというのが今回の総選挙のポイント
  • 対するのは野党連合の希望同盟(PH: Pakatan Harapan)
  • 構成する政党まで分かろうとすると意味不明になる(気になる方は参考欄のレポートを読んでください)

2022年10月10日に解散された連邦議会は、独立後15回目の総選挙を実施することとなりました。前回、2018年の総選挙では独立後初の政権交代が主な争点で大変盛り上がっていた印象ですが、今回はそれほどの盛り上がりを感じません。というより、情勢が混沌としすぎてよくわからないというのが正直な印象でした。

2018年に行われた前回の総選挙では、ナジブ政権からマハーティル氏が政権を奪い、政権交代。その後2020年3月にムヒディン氏に首相が交代、コロナ禍で非常事態宣言もありつつも、結局2021年8月にはイスマイル・サブリ現政権へ移譲ということで、4年間で4回目の政権交代が起こりそうという状況です。

11月20日(日)現在の投票結果

英字紙「The STAR」による開票結果(連合体別)は下記のような状況

https://www.thestar.com.my/news/nation/2022/11/20/interactive-how-malaysia-voted-in-ge15

リンク先を見ていただけると細かい政党別の議席獲得情報も載っていますので、ぜひリンク先もご参照ください。

現状では過半数をとる政党がない

上記のようにこれまでの与党連合であるPNとBNの議席数を合わせても、103議席と過半数に届かない状況、最大得票のPHの得票も81議席と、過半数の111議席まででもまだ30議席必要ということで、今後政界再編が起こるのではないかとの報道が多い状況。

ペナンは希望同盟が強い

ちなみにペナンでは州知事もPH:希望同盟からで、全国的にも数少ない野党中心のエリア。そのため苦労していることも多いとか。

写真左がペナンの州知事。選挙ポスターに混じって12月に開催されるペナンでのマラソンイベントのポスターでした。

マレーシア総選挙の別の余波

ちなみに今回の総選挙では投票日前日の11月18日(土)が急遽、選挙のための祝日となりました。どうやら選挙人登録を地元から移していないという人が多いらしく、遠く地元まで帰省して投票するという人が多いためのようです。

色々聞いて回ってみましたが、登録の変更が面倒、身分証に地元の名前が登録されているのを変えたくない、など諸説ありましたが、なぜこんな面倒なことになっているのか、正直まだ判然としません。

ちなみに前回、2018年の総選挙ではマハティール元首相が率いた当時の野党が政権を奪取、選挙後の様々な混乱を懸念してか、選挙後の月曜が祝日になりましたので、今回も動静としては頭の片隅に入れておきたいところです。

参考:

ちなみに上記レポートを書かれている中村正志さん編著の「ポスト・マハティール時代のマレーシア: 政治と経済はどう変わったか (研究双書)」は日本人の思うマハティール元首相のイメージを一旦リセットして現在のマレーシア政治を眺めるのには必読と思います。ちょっと手の出しにくい値段ですので、図書館などで読んでいただくのが現実的かもしれません。
https://amzn.to/3Xf38tI

編集記録

  • 2022年11月22日20:34、想定していなかった総選挙関連の2つ目のブログを書いたので、本記事のタイトルを「マレーシア 2022年総選挙(GE15)」から「マレーシア・2022年総選挙(GE15)のポイント」へ改題しました。
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